岩井俊二監督の「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」はいつ観ても新鮮な感動を与えてくれる傑作、新しくアニメ映画化された作品に期待

アニメ映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」が、8月18日から公開されるということで、20数年ぶりに岩井俊二監督のオリジナル作品「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」を観ました。

オリジナル作品は、1993年に放送されて、95年に劇場公開もされた名作テレビドラマです。その新鮮で瑞々しい映像表現が好評を博し、岩井監督の「Undo」とともに劇場公開され、元はテレビドラマでありながら日本映画監督協会新人賞を受賞する快挙を成し遂げて、岩井監督の名を一躍世間に知らしめまた作品です。

その作品が20数年の時を経て、「モテキ」の監督・大根仁による脚本、「魔法少女まどか☆マギカ」の新房昭之の総監督でアニメ映画化されたということで、久しぶりに岩井監督の作品を観直したのです。20数年ぶりということでだいぶ細部は記憶が薄れていたこともあって、改めて初めて見たような感覚で観ることができました。

しかし、観ていくうちに記憶は甦ってきて、映画を勉強し始めていた頃、岩井俊二作品に影響を受けた若き日の思い出もこみ上げてきました。やはりいい作品はいつの時代に観てもいいですね。小学生の最後の夏休み、少年の好きな人への淡く切ない思いが映像から伝わってきます。

今はもう岩井監督に影響を受けた世代が真似をしたりして演出のスタンダードになっているかもしれませんが、93年当時としては、岩井監督のある種斬新なカメラワークや映像美、子供たちのリアルな演出、物語展開の面白さなどがとても新鮮に映りました。誰もが持っていた子供の頃の純真な心が、岩井俊二マジックによって思い出が再現されたようでした。

 

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ヒロインを演じた奥菜恵のかわいらしさと美しさは今観ても輝いています。主人公の少年を演じた山崎裕太のピュアな演技も素晴らしいですね。果たしこの名作ドラマがどんな風にアニメ化されたのか。歳をとっても世界は少年の頃のように見えるのか? 楽しみです。

 

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