3本目は、10年前に観た衝撃を今も変わらず覚えている、ポール・トーマス・アンダーソン監督の「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」です。観るほどに、胸が締め付けられるような苦しさを味わう映画ですが、主人公を演じたダニエル・デイ=ルイスの狂気を通り越した怪演は胸を打つものがあり、一見の価値有り。映画史に刻まれる恐ろしい男が生み出されました。
2007年の作品で、第80回アカデミー賞で主演男優賞と撮影賞を受賞したほか、数々の賞を総なめに。共演のポール・ダノをはじめとしたキャスト、撮影、音楽、編集、美術、音響などスタッフ、そのすべてが素晴らしく、救いようのない話なのに、観た後に深く残る感動はいったい何なのでしょう。今も上手く言葉で表現ができませんが、映画的なカタルシスを得られる鮮烈なる大河ドラマです。
プレスシートの表紙や各ページは黒をベースとしており、表紙はわざと擦れた感じで、味のある書体の英語で監督名、タイトル、ルイスの名前が記されています。全部で18ページ(表紙と裏表紙は除く)の横長で、縦にめくる作りとなっていて、表紙をめくると1ページ目には「本年度アカデミー賞最多8部門ノミネート!」(受賞前のため)と、ゴールデングローブ賞ほか受賞した各映画賞がページいっぱいに羅列されています。
2ページ目には、教会の十字架の下に跪くルイスと彼の頭に手を置く牧師役を演じたダノの写真の上に、米各紙の評価やコメントが並んでいます。3ページ目はルイスのアップの写真で、4ページ目がイントロダクションが記されています。5ページ目と6ページ目がストーリーで、7ページ目と8ページ目はプロダクション・ノートとなっており、製作や撮影時の貴重な話が載っています。
9ページ目は、原作(アプトン・シンクレアの小説「石油!」1927年)の解説で、10ページ目には、レディオヘッドのギタリスト、ジョニー・グリーンウッドについて解説されています。不協和音を表現する彼のギターのノイズは、この映画にはなくてはならない要素で、是非聴いて欲しい!
11ページから14ページまではキャスト紹介で、15ページ目がアンダーソン監督、16ページ目が主要スタッフの紹介となっています。17ページは時代を感じさせるセピア調のルイスと息子(役)の写真で、片隅に「欲望という名の黒い血が、彼を《怪物》に変えていく…。」という一文が配されています。そして、最後はクレジット。作品世界から抜け出てきたような味わいのあるプレスシートになっています。
人生に行き詰まっている、悩みを抱えている方にこそ観て欲しい作品で、人生の一本になるかもしれません。2時間38分、どっぷり作品世界に浸ってください!
2007年/アメリカ映画/ドルビーSRD/シネマスコープサイズ/2時間38分/PG-12/
提供:ミラマックス・フィスムズ AND パラマウント・ヴィンテージ
オリジナル・サウンドトラックCD:ワーナーミュージック・ジャパン
配給:ウォルト ディズニー スタジオ モーション ピクチャーズ ジャパン
日本公開:2008年4月26日