Netflixオリジナル映画「ウォー・マシーン」で将軍を演じたブラット・ピットが最高、ラストのキャスティングも秀逸!

アンジェリーナ・ジョリーと離婚して、心労からか激やせした姿が心配されたブラッド・ピットですが、彼の映画製作会社プランBと動画配信サービスのNetflixが共同製作したオリジナル映画「ウォー・マシーン 戦争は話術だ!」を観ました。

実在の将軍スタンリー・マクリスタルを取材したマイケル・ヘイスティングスのノンフィクションを原作に、ブラックユーモアや風刺を散りばめて脚色した戦争ドラマです。アメリカの一人の将軍の栄光と衰退を通して、軍事力だけでは解決できない「現代の戦争」の裏側を描き出していて、とても面白かったです。

元気な頃のピット自らアフガニスタンの駐留米軍司令官に任命された生粋の軍人グレン・マクマホン陸軍大将を演じているのですが、その少し曲がった顔つき、がに股な歩き方や両脇を少しあけながらぶらぶらさせた走り方、苦虫を潰したようなしゃべり方が軍人然としていて独特で、どこまで実在の将軍をモデルに役作りしているかはわかりませんが、悲惨な戦争の裏にある滑稽さがより一層際立って笑ってしまいます。

グレンは、泥沼化していくアフガニスタンでの戦争に終止符を打つために意気揚々と戦地に取り巻きとともに乗り込むのですが、ドイツのジャーナリストや仲間のはずの米政府や政治家たちの様々な思惑に振り回されていき、事態はより混迷を極めていくというもの。久しぶりに会う奥さんとの気まずい関係や夫婦喧嘩のシーンは泣けてきます。

ティルダ・スウィントンやベン・キングズレーといったくせ者役者が顔を出しているのも味付けが良く、グレンに代わって赴任してきた将軍のキャスティングには思わず吹き出してしまいました。監督・脚本は「アニマル・キングダム」のデビッド・ミショッドです。

クオリティは高く「映画」ではあるのですが、映画館で観るかと言われるとちょっと二の足を踏むライトな作りになっていて、家で観るのにちょうどいいのかもしれません。とはいえ、このような映画が動画配信サービス向けに制作されてしまうのはやはり凄いですね、羨ましいです。

それにブラピは「マネーボール」で、メジャーリーグ「オークランド・アスレチックス」のGM、ビリー・ビーンを演じ、弱小球団を独自の「マネー・ボール理論」によって改革し、常勝球団に育てあげたビーンの「苦悩と栄光」のドラマを描いているのも「ウォー・マシーン」と共通するテーマだと思います。

 

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Netflixのオリジナル映画につては、今年カンヌ国際映画祭のコンペに出品されたポン・ジュノ監督「オクジャ okja」で、「映画」であるか、そうでないのかといった論争を呼びましたが、遅かれ早かれ、配信用オリジナル映画は増え、劇場公開と同時配信という時代もそこまできていると思います。

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