ファン・ジョンミンの切なさに涙し、ハン・ヘジンの美しさに酔いしれる「傷だらけのふたり」は犠牲愛を描いたメロドラマ

週末、韓国映画の「傷だらけのふたり」(ハン・ドンウク監督)をNetflixで観ました。ファン・ジョンミンは大好きな役者で、本作でのジョンミンも素晴らしかったです。粗野でありながら心優しい、人情に厚い一面を持つ男を演じさせたら右に出る役者はいませんね。

同作は、借金取りの粗野な男が、借金を回収に行った先で、生きる世界の異なる女性と出会い一目惚れし、彼女のために人生を見つめ直していこうとする姿を描いたドラマです。

2014年の作品で、日本公開は15年4月です。セカンドバッグを持ったヤクザのような威圧的な格好をした男と、OLの制服を来た女性が町の通りを微妙な距離感で歩いている瞬間を捉えたメインビジュアルを観た時にこれは好みの作品だと直感的にピンときていたのですが、劇場での鑑賞のタイミングを逃していた次第です。

ヒロインはハン・ヘジンで綺麗な女優さんです。ジョンミン演じるテイルが借金を回収に病院へ駆けつけたところ、その男はすでに昏睡状態で、そこで看病をしていたへジン演じる娘のホジョンと出会います。最初の出会いは最悪なのですが、テイルがホジョンを一目見た時の表情が秀逸です。

借金を帳消しにする代わりに、自分と何度かデートするという契約を結ぶ卑怯な申し出で始まるのですが、不器用なテイルは何度もホジョンに拒絶されるながらも、あることをきっかけに次第に2人は心を通わせていきます。そして、幸せになれるかと思った矢先にテイルにあることが判明します。

この先の詳しい展開は控えますが、ホジョンのために生き直そうとしながらもすれ違い、彼女の幸せを願うテイルの犠牲愛に涙がこぼれます。

最近も「哭声 コクソン」(16年)、「アシュラ」(16年)、「ベテラン」(15年)、「国際市場で逢いましょう」(14年)など秀作、大ヒット作に出演し、その存在感を発揮しているジョンミン。「新しき世界」(13年)や「生き残るための3つの取引」(10年)も素晴らしかったですし、「ハピネス」(07年)、「ユア・マイ・サンシャイン」(05年)もステキでしたね。ヤクザや刑事からピュアな男、庶民まで、主役も脇も演じられる演技力は群を抜いています。

何気ない話なのですが、ジョンミンと美しきヒロインでここまで胸の熱くなる作品を送り出してくる韓国映画界には嫉妬してしまいます。でも、それが韓国映画界の底力なのだと思います。脇を固めるクォク・ドウォンら共演陣もいい味を出しています。気性が似ているからなのか、とても韓国映画が描く世界には共感するものが多いです。

 

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今を大切に生きることを教えてくれる作品です。

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