映画愛に溢れたデイミアン・チャゼル監督の「ラ・ラ・ランド」、ライアン・ゴズリングとエマ・ストーンの掛け合いもステキな傑作ミュージカル

ちょっとここで取り上げるには早い作品かもしれませんが、8月2日にDVDが発売されるということで、「ラ・ラ・ランド」について書きたいと思います。説明するまでもありませんが、本年度アカデミー賞で最多6部門受賞、ゴールデン・グローブ賞歴代最多7部門受賞の傑作です。

もちろん、賞を獲っているから傑作ということではありません。この映画を観た時、「ああ、やっぱり映画っていいな」「夢を追い求めるっていいな」「女性を愛するっていいな」と思いました。ミュージカル仕立てで、映画でしかできない表現、素晴らしい音楽とダンス、そしてライアン・ゴズリング、エマ・ストーンという魅力的なキャストによる映画的なラブストーリー。

冒頭のワンシーンワンカット(実際にはわからないようにカットを割っているらしい)による圧巻のミュージカルシーンから一気に作品世界に引きずり込まれてしまいます。夢の街ロサンゼルスで好きなジャズを思い切り演奏できる店を出したいピアニストの男と、映画スタジオ内のカフェで働きながら女優を夢見る女が出会うという、ある意味古典的な設定ではあるのですが、「セッション」(14年)で高い評価得たデイミアン・チャゼル監督は、そんな話を魅惑的に描き出します。

日本人にとっては違和感のある突然のミュージカルシーンも、見事にドラマの中に融合させ、人生とはまさに歌とダンスだと思ってしまうほどの効果を発揮しています。色使いもカラフルで、往年のミュージカル映画やラブストーリー映画にオマージュを捧げた作り方も映画ファンには堪りません。

愛する女性のために夢を諦めようとする男と、男の夢を支えようとしつつも自分の夢を諦め切れない女。次第に2人はすれ違い、一方が夢を実現させていく。数年後に再会した2人の選択は、果たして正しかったのか…。ラストの2人が交わす視線にはニヤリとさせられます。

プレスシートは、表紙がピアノの鍵盤がデザインされていてパステルな配色がオシャレ。ページをめくるとイントロダクションやストーリーが五線譜の紙の上に書かれていて作品世界を反映した凝った作りとなっています。場面写真もふんだんに掲載されていて、劇中の歌の歌詞の訳やロケーションマップが付いているのも心憎い配慮です。

愛する人と出会った時、世界は美しい色を増し、そして夢に向かって自分を解き放った時、自分のイマジネーションや才能が世界を変えられるのだと思わせてくれる作品です。サントラの各曲が耳から離れなくなる、映画愛に満ちたこの映画をブルーレイ&DVDで観直したいと思います。

 

ラ・ラ・ランド コレクターズ・エディション スチールブック仕様(初回限定生産)(2枚組) [Blu-ray]

 

2016年/アメリカ/128分/カラー/シネスコ/5.1ch/デジタル
提供:ポニーキャニオン、ギャガ
配給:ギャガ、ポニーキャニオン

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