独自の映画ジャンルを確立したウディ・アレン! 「それでも恋するバルセロナ」ではスカーレット、ハビエル、ペネロペがロマンス・コメディで競演

ニューヨークを舞台にした3つのストーリーから成るオムニバス映画「ニューヨーク・ストーリー」の一篇は観ていましたし、その才能、名声と評価は知っていましたが、なぜか学生時代は食わず嫌いだったウディ・アレン。ニューヨークを舞台にした、知的で小粋な映画は楽しめないと思っていたのだと思います。

しかし、私も年齢を重ね、少しは人生の酸いも甘いも知ったということで、2011年の「ミッドナイト・イン・パリ」を観ました。オーウェン・ウィルソン、レイチェル・マクアダムス、マリオン・コティヤールら豪華スターが顔を揃えた作品で、パリと映画の魔力を上手く融合したラブコメディでした。

それから「ギター弾きの恋」(99年)、「マッチポイント」(05年)、そして「それでも恋するバルセロナ」(08年)と見始めました。アレン独特な語り口ですが、非常に映画的な表現を駆使していると思います。

時代によって、主演に起用する女優さんが、ダイアン・キートン、ミア・ファロー、スカーレット・ヨハンソン、エマ・ストーンと入れ替わるのは才能ある監督のご愛嬌ですが、ウディ・アレンという独自の映画ジャンルを確立していると思います。

いま手にしているプレスシート「それでも恋するバルセロナ」は、ヨハンソン、ハビエル・バルデム、ペネロペ・クルスを主演にスペインで撮影したロマンス・コメディ。4人の大人の恋愛関係を、才能ある俳優たちがアレンワールドで魅力的に生き生きと競演しています。男と女、欲望と恋愛感情など、人間関係の機微を繊細にウィットに富んで描ける数少ない映画作家のひとりですね。

しゃべりまくるところはたまに傷ですが、自身が出演する「ボギー!俺も男だ」(72年)や、「アニー・ホール」(77年)、「マンハッタン」(79年)も映画的な作品でした。最近ではケイト・ブランシェットと初タッグを組んだ「ブルージャスミン」が面白かったですね。ちょっと知的な会話劇を楽しみたい方にアレン作品はオススメです。

 

それでも恋するバルセロナ [Blu-ray]

 

2008年/アメリカ=スペイン/カラー/1時間36分/ヴィスタサイズ/ドルビーデジタル
配給::アスミック・エース

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